•  だんだんと小さくなっていく陸地を見ていると、今までの台湾旅行というものは、自分の精神に大きく作用したようだな、という実感があった。そして、台湾と私とを強く結び付けていたあたたかな時代は、ここで一つの節目をむかえたようだ、とそのとき私は思った。  台湾にはじめて訪れたとき、私は、慣習や言葉の違いに戸惑いを覚え、斬新な食べ物やそれらの匂いにいつも驚き、人々のやさしさに心打たれて感動の連続だった。 そ... 続きを読む
  •   ほそい階段を上がる途中にお店があった。入口は古い民家の裏口を少しひろくしたような朴訥とした趣があって、ここのカウンターで、注文と、支払いと、受け取りをすべて済ませるようになっていた。 今日は台湾のともだちと会う機会にめぐまれたので、カイ君とテイさんと僕の三人で九份に遊びに来ていた。街はあいかわらず観光客による混雑と騒音と狂騒であふれていて、僕自身もそれらを増幅させる一つの要因としてしっかり貢献... 続きを読む
  •   「あら、ちょっとおにいさん」 ベンチから見上げると、やや初老にさしかかりはじめたばかりといったおばさんが立って、こちらを見つめていた。 「さっき、改札の駅員さんのところにいたおにいさんね」 今から少し前、私は列車から降りた。タンタタンと小さくなってゆく區間車の後姿を見て、どうにも様子がおかしいと、あくまで一般の常識においても、そのときから既に異変に気がついていたようだった。 そのことを確かめる... 続きを読む
  •  怒号の中で目が覚めた。窓の外からどしゃどしゃと雨が落ちる音が聞こえている。時刻は午前七時前。どうやら目覚ましをセットした時刻よりいくらか早いようだ。あーあ、今日の朝飯どうしようかな、などと低気圧でずーんと重たくなった身体をシーツにくるめたまま、まだ覚醒しきらない頭で、天井の古い染みをぼんやり見つめていた。 僕が台南に来ることを聞いて、すぐさま駆け付けてきた友人がいた。ブンちゃんは台北人だから、東... 続きを読む
  •  朝、新竹のホテルを引き払い、今は台北に来ている。やることはたいてい終わってしまって、あとは午後の飛行機を待つのみだった。どこか充足したような軽やかな空気が、胸や首のまわりでフワンフワンと上下している。その一方で、今さらどうにもならないのだ、というある種なげやりな気持ちも、心のどこかにつっかえている気もしていた。 西門町のスターバックスでアイスラテを買って2階に上がった。平日のライチタイム前の店内... 続きを読む
  •  花蓮のホテルのベットの上で「うーむ」とうなった。台湾好行太魯閣任我行という太魯閣(タロコ)一日バス乗り放題チケットがあって、そのバスは花蓮駅から一日に何便も発着している、ということをインターネットで発見したのである。僕は、ひんやりしたタイルの床をはだしでぴたぴたテーブルまで歩き、缶の底に残っていた空気の抜けた生ぬるいビールをぐびりと飲んで、そのままベットに倒れた。 翌朝僕はフロントにいたおやっさん... 続きを読む

みのりおん

台湾の街とか田舎とか飯屋をウロウロとあるきまわる無気力無思考無頓着なタワイモナイ日々をなけなしの写真とバカな文章でただひたすら書きつづけます。
※ちんほうちゃは台湾語でとても美味しいの意味。

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