•  つぎに車を降りたのは瑪家遊客中心という観光案内所に隣接する駐車場だった。僕らの他にも何台か車が停まっていたことから、どうやらこちらは休業ではないようだ。 案内所は、どこか民家を模した造りになっていて、ところどころに原住民族の文化を思わせる色とりどりの装飾がしてあった。 リブヲが案内所のお兄さんに何かを聞いている横で、僕は、カウンターに並んだパンフレットを無作為に取ったり戻したりして眺めていた。パ... 続きを読む
  •  「あした高雄の会社面接する」 永遠に終わりが来ないんじゃないかと思えるくらい道は容赦なくどこまでも続いていた。運転席のリブヲは、右側車線の前方に決意の視線を向けていた。 「オレ、来月で東京の会社やめる」 「おい!そうか。そうなんだな。じゃあこんどこそ本当に台湾人にかえっちゃうんだな。もう、日本語は話さないし、話せなくなるんだな。そうなんだな」 はたから見たらいくらか動揺が入り混じったヘンに脅迫め... 続きを読む
  •  「どこでもいいよ。ほんとうだ。もうどーこだっていいんだよ。でもまあ、あえて行きたいところをあげるとするならば、インスタ映えするところかなあ」 「わかた。どこでもいんだな。じゃオレ10時に左營で待てる」お決まりのいいね!でリブヲとのメッセンジャーは終了した。 朝、台中から左營へ移動する。連休のグズグズ感覚が染みついた体からしてみれば、けっこう早いくらいの時間であったが、滞在の期間もそれなりに限られ... 続きを読む
  •  ブンちゃんと別れてひとりになった僕は予約しておいた新しいほうの台中駅にちかい雙星大飯店というホテルにチェックインを済ませて部屋にはいった。 最初うす暗くて古い建物だと思っていたけれど、備え付けの家具や小物など、こまかなところにも手入れがなされている雰囲気があって、いくぶん気分がよかった。 土地勘がなかったので、受付のお姉さんに近くに食べるところはないか聞いてみたところ、エントランスを出て右手にす... 続きを読む
  •  陽が落ちてもうすっかり黒くなった窓ガラスに、いくつもの雨つぶが、音もなくにわかに斜めの跡をつくっていた。 高美湿地から清水駅に帰るバスのなかで、僕はブンちゃんと一つの問題についてかんがえていた。 さっき高美湿地に行くときに乗っていたバスは、果たして無料だったのか、という問題である。 「支払いのときに悠遊カードからお金が引かれていなかったです。私はそう思います」 最初にそれに気がついたのは、ブンち... 続きを読む

みのりおん

台湾の街とか田舎とか飯屋をウロウロとあるきまわる無気力無思考無頓着なタワイモナイ日々をなけなしの写真とバカな文章でただひたすら書きつづけます。
※ちんほうちゃは台湾語でとても美味しいの意味。

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