高は高雄の高

 高雄國際空港をすぎ道路をクルリおおきく旋回したころ、窓の外はゴロゴロ雷音とともに瞬く間に暗い雲におおわれ、大粒の雨がバラバラとはげしく車をたたきはじめた。

 「みのさん、たいへんですたいへんです!雨が降ってきます!」

 速度をゆるめるとトマス君はハンドルを抱え込むようにして困った顔で言った。ワイパーがフロントガラスのうえで空しくも意味のない運動をくりかえした。

 「そうかそうか。ところでこれからどこに向かっているんだい?」

 僕らはおでんを食べたあとトマス君の行きつけという高雄綠豆湯大王で緑豆を一杯やり、これから紅毛港文化園区に向かっているところであった。

 紅毛港高雄の第二港といわれる港で、紅毛港文化園区紅毛港の400年にわたる人々の歴史と文化を復刻した、いわば展示公園みたいなところである。

 車を降り受付で99元のチケットを購入して雨から逃げるようにとりあえず屋根つきの建物のところまで歩いた。そこはなにかの待合室みたいになっていて、扉の向こうに一隻の船が横付けされているのが見えた。それは船着き場でその先はもう海のうえだった。

 「ここから船で駁二藝術特区に行くことができますよ!」

 駁二藝術特区は昔の港湾倉庫でいまはそのいたるところに芸術作品を展示している。紅毛港文化園区から駁二藝術特区まで文化遊艇という名前の船が運航している、というわけだ。平日は1日1往復、土日祝日は3往復で、片道40分くらいかかる。それが近いんだか遠いんだかよくわからなかったので、ひとりただ「うーぬ」とうなずいた。

 小雨になったので再び外にでた。園内は昔風の家が雨に光ってなにかのイルミネーションみたいにキラキラといろんな色を反射していた。家のなかをのぞくと、椅子やテーブルや日用品などがあり、ついさっきまで人が住んでいたような生活感があった。

 それから、すこし離れたところにひときわ異彩をはなつ小さな塔が建っていた。

 「あれば高雄『高』という字ですよ」

 高字塔は「ええ、名前そのままでやんす」といった感じの塔だった。すぐ下がレストランになっているということだが、昼過ぎから飲んだり食ったりをつづけてきていたので、いまはもうなにも飲めない食えないゴメンナサイ。

 天空歩道の白い階段を上っていくと、向こう岸に工場地帯があかるくオレンジ色に見えた。空を見上げると雨あがり特有の濃いブルーの空が広がっていた。風がうごいていくのが見えるような、そんな空だった。

***高雄の紅毛港文化園区***


紅毛港文化園区1

紅毛港文化園区2


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台湾ちんほうちゃ日記

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みのりおん

台湾の街とか田舎とか飯屋をウロウロとあるきまわる無気力無思考無頓着なタワイモナイ日々をなけなしの写真とバカな文章でただひたすら書きつづけます。
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