台中追分途中下車

 MRTの新店駅から台北駅に行き高鉄に乗り換えて台中駅で降りる。そこから新烏日駅まで歩き台鉄に乗って台中駅を目指す。高鉄にも台鉄にも台中駅があるのでこうしてかくとなんかややこしい。

 KKdayのWiFiがすこぶる調子がいいので、新烏日駅への連絡通路を歩く途中にも、台中市の台鉄路線図をスマートフォンでぬるぬる眺めていたら、台中駅へ行くのと反対の方向に追分という駅があることがわかった。おいわけ、とよむと、むかし近所にもそんな地名のところがあったな。それに今いる新烏日駅から区間車という各駅停車でふた駅目なので、かるく寄り道していくにはちょうどいい。

 台鐵列車動態という僕みたいに繁体字が読めなくてもまあなんとかなってしまう台鉄の時刻表アプリで、追分行き列車の時間を調べてみたら次に来るのは今から40分後になっていた。その一本前の列車はたった今出て行ってしまったらしい。

 各駅電車で8分で行けるところを40分も待つのもなんだかなあ。そうかんがえると、こうしたとっさの思いつきも、急になんだかさびしいものに思えてきた。一方で、それほど遠くない距離ということであれば、タクシーで行ってもたいして高くもないんじゃないかな。急ぐ必要はないが夕暮れもちかい。ここはひとつ時間を買ってもいいかな、とかんがえた。

 駅の階段を下りてタクシー乗り場に向かう。客待ちをしていた運ちゃんに追分車站とかいた付箋紙を見せたら200元をふっかけてきた。こっちは具体的な距離感も目安もないので、高いのか安いのかわからないじゃないか。しかし日本円で800円もしない値段はワンメーターと思えばまあそんなものなのかもしれないな。

 西日の傾きはじめた大通りを、タクシーはほとんどまっすぐに走った。平日の仕事終わりの道路はけっこう混んでいたが、新烏日駅のタクシー乗り場からほんの15分くらい。左折して少し入ったところで「ここが追分追分だ」と運ちゃんが指さす方向に、古い木造の駅舎があった。あたりには散歩する近所のおじいさんや、ベンチに座って列車待ちをしている人たちがくつろいでいた。

 駅舎のなかは壁いちめんに時刻表がはりだされ、むかしの絵や展示物などがこぎれいに整理されていた。硬式車票という追分成功の硬券が記念切符として販売されていたので、ものはためしにと窓口で買おうとしたら、駅員さんの口から「にほんじん?」ぽろりと日本語がこぼれた。
 
 15元の記念切符は、点を得る、という意味と、成功、の意味とが掛けあわさって、縁起がいいといわれている。

 記念切符のついでに台中行きの切符を買ったところ、台中行きの列車は今から一時間待たないと来ないことが駅員さんの言葉でわかった。

 待合室の木のベンチに重いバックパックを降ろして一息ついた。WiFiはかなり熱くなっていたが、電池はまだまだ半分のこっていた。

 追分駅は、1922年に開業し、木造の駅舎は大正時代から存続している、台鉄の海岸線と成追線の分岐駅であった。

 荷物をベンチに置いたまま表に出て駅舎を眺めた。熱気が抜けはじめた夕暮れの風は気持ちがよく、しかし同時に、頭ふたつ分あたり頭上に、うすぐろい蚊ばしらが、もやもやうず巻いて、ひそかにこちらを認識しつつ近づいてくるのがみえた。

***台中の追分駅***

追分車站1

追分車站2

追分車站3



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台湾ちんほうちゃ日記

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みのりおん

台湾の街とか田舎とか飯屋をウロウロとあるきまわる無気力無思考無頓着なタワイモナイ日々をなけなしの写真とバカな文章でただひたすら書きつづけます。
※ちんほうちゃは台湾語でとても美味しいの意味。

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