たおれるくらいの酒の量

 台湾に来ていつも残念に思うのはビールが置いてあってフツウに酒が飲めそうなメシ屋なのにやっぱりそこにはビールしかないことだ。

 ビールを飲みほすとその延長線上でもうすこし違うものを飲みたくなり、たとえばレモンサワー飲みてー、ハイボール飲みてー、ホッピー飲みてー、などと叫びつつ、店の冷蔵庫をあけてみるも結局ビールしかないのでとりあえずまたビールを飲む。

 たまにウイスキーやワインを置いてある店もあるんだけれど、迅速かつ豪快におしよせる台湾メシの前で、これら原酒はがぶ飲みできない。

 コンビニもだいたい同じようなもので、ビールはもちろん、ウイスキーやワインや紹興酒や白酒などはよく見かけるんだけれども、缶チューハイやハイボールといった、爽快さと軽快さとを兼ね備えてプチンとあければグビグビやれるポップでライトな庶民的さわやかアルコール飲料、となると極端にすくない。

 あったとしても、日本からの輸入ものだったりして、もちろん日本で買うよりも高いので、だったら日本に帰ってから飲もうか、となってしまう。

 さいきん、マンゴービールやパイナップルビールといった、あまくてかるい炭酸系アルコール飲料もおおく出まわってはいるけれど、アルコール度数2.8%とかいてあると、もう酒なのかなんなのかわからない。度数60%の白酒あたりで割って飲みますかね。

 ガチョウめしを食いおわった僕と張さんは二軒目の台湾メシ屋に来ていた。

 魯賣賀世というこれまた張さん行きつけの店で看板に滷味(ルーウェイ)とあるからこれぞまさに台湾伝統の屋台料理、いわゆる台湾版おでんというやつだ。

 豚足、魚介の練り物に腸詰、煮詰めた卵に内臓、干した豆腐などがうれしそうにざくざく積み上がり、まさに日本で言う居酒屋ツマミ群なのである。

 張さんは冷えたビンビールをつぎつぎに冷蔵庫から出してはポンポンと栓を抜いた。

 やっぱり滷味はうまい。ビールもうまい。滷味うまい。ビールうまい。てなふうにやっていけば、いつかはきっと腹が膨れてくる。膨れるとペースが遅くなる。やがてビールもすすまない。いずれもう飲めない食えない、となってくる。

 「くるしい。張さんもう飲めまてん」

 「なんだ、日本人のくせに酒よわい」

 「腹いっぱいでもう飲めない食えないすいまてん」

 日本とくらべて台湾に酔っぱらいがすくないのは、アルコール度数が低くて、すぐに腹いっぱいになるビールが主流であるから、容量的に酒の量がおさえられるんだろうな、てなことを酔いがまわりはじめた頭のなかで思った。

 ホテルにもどり、今日の最後に食えなかったこと、飲めなかったことを反省した。

 ホテルは台中駅前の、今となっては旧駅舎側の立地となったPLAZA HOTELで、このホテルはじつに4年ぶりの帰宅であった。

***2軒目の魯賣賀世で***

魯賣賀世



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台湾ちんほうちゃ日記

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みのりおん

台湾の街とか田舎とか飯屋をウロウロとあるきまわる無気力無思考無頓着なタワイモナイ日々をなけなしの写真とバカな文章でただひたすら書きつづけます。
※ちんほうちゃは台湾語でとても美味しいの意味。

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