ターワンからの警告

 たとえば、高雄に来ているときは高雄がいちばんだと言い、宜蘭に来ているときは宜蘭がいちばんだと言う。

 そんなわけで、やっぱり宜蘭がいちばんだ!と昨日から宜蘭に来ていてそう思った。居心地はいいし飯もうまいし人もいい。まあ、はやい話がきまぐれなんだ。

 昨日あそびにきてくれた宜蘭のフミオ君に、駅ちかくの牛肉麺のお店をおしえてもらったので昼になって来てみた。

 その大成羊排麵・牛肉麵という飯屋は、なんでも羊肉を煮込んだ羊排麺という麺がイチオシだということだ。

 店の場所はすぐにわかった。宜蘭の街はわかりやすく歩きやすく、旅行者として滞在するにはとりわけ快適なところで、特にあまりわかっていない自分のような無頓着ニンゲンでも、わりとカンタンに目的地をみつけられたりする。

 腹も減っていたので、その羊排麺を、大盛り大碗(ターワン)で注文した。

 羊の肉はけっこう味が濃い。麺がちょうどご飯代わりになる。だから肉と麺を交互に食べる。モチみたいな麺は噛んでも噛んでもモチモチしていて腹もちもよさそうだ。

 シャツにはねつける汁玉のことなんて気にしない。八角の香りが染み込んだスープを、肉と麺の残りといっしょにズビズビズビリと飲みこんだ。いやあ、けっこう食った。もうおなかいっぱい。げほっ。

 イスの背にもたれてふくれた腹をさすっているところ、こんどは宜蘭のミツル君からメッセージがはいった。これからいっしょに泰雅族の村にいって飯を食おうというものだ。

 僕はこのあとで何をする予定もなくて暇だったので「おうおう、行く行く!」と即決した。あれれ、しまった。いまさっき大盛り麺を食ったばかりじゃあないのか。げぷ。

 かくして、ミツル君と宜蘭駅で待ち合わせをすることになった。ここから決してとおくないところだったけれど、駅まで歩いて、すこしでも腹を減らそうとかんがえた。

 泰雅はタイヤルとよんで、台湾の原住民だからおそらく日本人みたいに酒飲みだ。これからいったいどうなるかわからない。できるかぎり腹の中身を消化していかないとこれはたいへんなことになりそうだ。

 レンガ造りの宜蘭駅舎の前はちょっとした広場になっていて、花壇や木のベンチが、厚い雲の隙間からこぼれおちる午後の光にうっすらと照らされていた。今日は土曜日のためか、利用客は比較的すくないようで、のんびりとした時間がながれていた。

 ミツル君は駅まで車でむかえに来てくれることになっている。僕はベンチのはしっこに腰をおろして、ミツル君からのメッセージがはいるのを待っていた。そして、麺を大盛りにしたことをすこしだけ後悔していた。
***大成羊排麵から宜蘭駅へ***

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台湾ちんほうちゃ日記



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みのりおん

台湾の街とか田舎とか飯屋をウロウロとあるきまわる無気力無思考無頓着なタワイモナイ日々をなけなしの写真とバカな文章でただひたすら書きつづけます。
※ちんほうちゃは台湾語でとても美味しいの意味。

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