•  ピーコーピーコー  ピキキキキキキキキキッ  あかぬけない鳥のなき声のような電気音がなりやんでから台北MRTのドアがゆっくりと閉まりはじめた。冷気のあたる銀の手すりにもたれかけて、果てしなく落ち着ききった正午すぎの車内を、もっさりしたバックパックを背負ったまま眺めていた。 「ふへぇー、淡水信義線ってなんだ?こんな路線あったかい?」 「ははは、新しく信義線ができて淡水線から淡水信義線に名前が変わりま... 続きを読む
  •  ならんだ入国ゲートの列の進みかたが他の列よりもちょっと遅かったから、もどかしくって、それでも、到着ロビーの自動扉がウインとひらかれれば、まぶたいっぱいまんべんなく光がとびこんで、鼻孔がゆるんで、ニオイが、あのニオイが、食べ物からでるような、あまい感じの気体が、ふわふわふわふわって、体の空気といれかわる。 あの頃から、変わってない。 「おいおい、ちっとも進歩ないんじゃあないか、まったくよう」って。... 続きを読む
  •  扉を開けると、隣の個室からあふれでる水は、正面の小便器ちかくにまで広がって大きな水溜りになっていた。その勢いはちっとも衰える様子はなく、行き着くところにまで、ただその領域を広げるばかりに見えた。 台北松山空港国際線の搭乗ゲートにいるので、事情を知らない外国人旅行客が誤って紙をトイレに流してしまったに違いなかった。東京行の便がすぐ後に控えていることからも日本人旅行客である可能性はかなり濃厚で、それ... 続きを読む
  •  台湾に来る数が多くなればなるほどそれだけ帰る数も多くなるということであって、僕なんてとくに台湾に住んでいるわけではないので、きっとそういうことだ。 しかし帰る段になると、決まって、何かをやりきったという充実感とホッと安堵する気持ちのほかに、どうも腹のずっと下あたりにぽっかりと空洞ができてすきま風が通り過ぎている、というような、妙に孤独でどこか寂しい想いが残るのであった。 だから、というわけでもな... 続きを読む
  •  朝になって目を覚ましたら、いつもとちがう部屋のいつもとちがう朝の光に、ここが東京ではなく台北であることをあらためて思い出した。カーテンを開けたら、窓のずっととおくに入道雲ひとつ浮いているだけのおそろしいほどの快晴がひろがっている。そして僕はといえばきょうもおそろしいほどの快便だ。 起きがけにまずいっぽん糞をする。シャワーを浴びたあとで二本目が出る。服を着おわったら出がけの最終“便”だ。朝の30分間... 続きを読む

みのりおん

台湾の街とか田舎とか飯屋をウロウロとあるきまわる無気力無思考無頓着なタワイモナイ日々をなけなしの写真とバカな文章でただひたすら書きつづけます。
※ちんほうちゃは台湾語でとても美味しいの意味。

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