•  ブンちゃんと別れてひとりになった僕は予約しておいた新しいほうの台中駅にちかい雙星大飯店というホテルにチェックインを済ませて部屋にはいった。 最初うす暗くて古い建物だと思っていたけれど、備え付けの家具や小物など、こまかなところにも手入れがなされている雰囲気があって、いくぶん気分がよかった。 土地勘がなかったので、受付のお姉さんに近くに食べるところはないか聞いてみたところ、エントランスを出て右手にす... 続きを読む
  •  陽が落ちてもうすっかり黒くなった窓ガラスに、いくつもの雨つぶが、音もなくにわかに斜めの跡をつくっていた。 高美湿地から清水駅に帰るバスのなかで、僕はブンちゃんと一つの問題についてかんがえていた。 さっき高美湿地に行くときに乗っていたバスは、果たして無料だったのか、という問題である。 「支払いのときに悠遊カードからお金が引かれていなかったです。私はそう思います」 最初にそれに気がついたのは、ブンち... 続きを読む
  •  高美湿地遊客中心のバスターミナルに着いて、手当たり次第に停留所の時刻表をスマートフォンのカメラに収めていた。今度ばかりはバスを逃すわけにはいかない。 停留所のあるところから道づたいに歩いていくと上下左右にまがりくねったフシギなカタチをした橋がかかっていた。橋をわたりおえると幅のひろい歩道が視界の先へいっきに突き抜けた。 右手は見渡すかぎりの海がひろがり、左手は白い巨大な風車が一本一本ずっと遠くに... 続きを読む
  •  日陰のやけにみじかくなった停留所で、アスファルトのてらてらとした照り返しに頭をシロクロさせながら、無限につづく巨大な待ち時間と、ただやみくもに通り過ぎていく車の数々を、なんの関連もなく眺めていた。 今までどんだけ無計画で無頓着だったんだろう。しかしまあよくもここまでやってこれたもんだな、とわがバカさ加減に改めて感心するとともに、のらりくらりと、なんとなく乗りきってきた無邪気な時代の思い出が、まる... 続きを読む
  •  ガキン、ゴンゴン、ギンッ...バスが勝手にうごくから前の背もたれとか手すりの棒とか半径50cmのいろんなモノが僕の頭にゴンゴンぶつかってきたんだ。 「僕の頭はコンクリだから痛くも痒くもないんだもんね」 「あのねえ、たしかに頭コンクリという台湾の言葉ありますよ。でもねえ、それは頭が硬いから強い、という意味でなくて、考え方が固いとか、柔軟性がないとか、場合によってはバカという意味もあるんですからね」 ... 続きを読む

みのりおん

台湾の街とか田舎とか飯屋をウロウロとあるきまわる無気力無思考無頓着なタワイモナイ日々をなけなしの写真とバカな文章でただひたすら書きつづけます。
※ちんほうちゃは台湾語でとても美味しいの意味。

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