•   ヌカカという小さな蚊がいる。本当は蚊ではなく蠅の一種なんだそうだが、台湾の特に東の方面に行くと、よくこれに噛まれる。噛まれるとその部分を中心に赤いふくらみができて、搔けば搔くほどかゆいのなんの。搔きすぎるとこんどは噛まれたところからベトベトした黄色い液体が噴き出してきて、それがまたたく間に広がりさらにかゆみも広がるのである。 そんな半ズボンの下の赤斑点デコボコ足をぼりぼり搔きながら、僕は台東縱... 続きを読む
  •  2013/8/21 台東 撮りためた写真を整理しようと通りに面した一軒の居酒屋に入った。ひとりで入る居酒屋は自分だけの世界に正面から向き合える正直な時間である。たとえ周りに人がいようが気心の知れた仲間がいない点において居酒屋はいつも私のとって孤独の場所であった。 中山路の歩道の看板に明かりが灯り、そのなかに海鮮料理の文字が浮かぶ店があった。ここにしようと思った。 ビールを注文して、デジタルカメラの履歴を新... 続きを読む
  •  2012年7月11日 台東 台東から花蓮に向かう列車の中で私は一人弁当を食べていた。旅情を誘うとはこういうことを言うのだろうか。窓の外にはのんびりした景色が緑の光を反射して、近いところは速く、遠いほうはゆっくりと流れていた。 列車に乗り込んだとき、私の座席には、労働者風の、ちょっと怖そうな顔をしたおじさんが、新聞紙を大きく広げて、どっしりと腰を固定していた。切符の座席番号を読み返してみたら、はやり私の座... 続きを読む
  •  2012年7月9日 台東 アスファルトに落ちる汗は黒い点になるとすぐにまた道路の色に消えた。しかし走る自転車の速度からはその顛末までを見ることはできない。台東市街のはずれにある森林公園に向かって私は自転車をこいでいた。午後の4時であることを忘れたかように夏の空が重い湿度の中に淀んでいた。 自転車はホテルから借りた。自転車には鍵がなかった。台東では自転車は盗まれないらしい。しかし何かあったら面倒だと思い、... 続きを読む
  •  2013年8月21日 台東 夜の間降りどうしだった雨はすっかり上がっていた。今日は天気がいいので太麻里に行こうと決めた。 でも本当は行き先なんてどこでもよかった。どこかに行ってみさえすれば何かが起こる気がしていた。台湾にいるといつも思うことなんだけど、自分が旅をしているというよりも、台湾の人たちが僕に旅をさせているんじゃないかと思うことがある。自分から何かをしようと思わなくても、みんなが僕に何かをしてく... 続きを読む

みのりおん

台湾の街とか田舎とか飯屋をウロウロとあるきまわる無気力無思考無頓着なタワイモナイ日々をなけなしの写真とバカな文章でただひたすら書きつづけます。
※ちんほうちゃは台湾語でとても美味しいの意味。

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